上達への最短ルート!リアルな話をします!!

誰しも上手くなりたいと思って練習します。カヌーでもラフティングでもなんお競技でもいいですが練習するということは「上手くなりたい」という思いからでしょう。

ではなぜ上手くなりたいのでしょうか?「レースで勝ちたいから」「降ってみたい川があるから」「後輩を乗せて降りたいから」人によって理由は様々でしょう。それでは上手くなるためにどのような練習をしていますか?静水練・流水練・エルゴマシン・ウエイト・陸トレ等様々な練習があります。

今回はそんな中でも最速で上手くなる方法を紹介します!

先に言っておくと「練習方法」の紹介ではありません。「これをやれば上手くなる!」なんて練習方法やプログラムは存在しません。あればみんなやってます。ここで紹介するのは「練習方法の選択」や「マインドのあり方」についてです。以前「どんな練習してる」で紹介した「練習論」に近いです。

※過去記事はコチラからhttps://sawabinblog.com/practice/223/

何本ダウンリバーしても意味はない!

レースラフティングのチームで川に行くと多いのが「午前:上流でスラローム練習(2〜3セット)・午後:〇〇までダウンリバー2本」といった練習です。正直に言うと「時間の無駄」です。何本ダウンリバーしようが、何本スラロームをフルランしようが基本的に上手くなることはありません。下手くそなチームほどダウンリバーやらスラロームといった「カッコイイ練習」をしようとしますが、本数で考えている以上うまくなりません。

かなりきつい言い方をしましたが事実です。一つずつ解説します。まずそもそも「本数」を重ねる練習に意味はありません。考えればわかることですが本番のレースは1発勝負です。ラフティングはスラロームなら2本1採用が多いので2本漕げますが、他は全て1本しか漕げません。カヌースラロームも最近はA決勝B決勝方式なので予選の1本でミスると本当の上位にはいけません。オリンピックゲームもW杯も同じセットで漕げるのは1本限りです。レースはほとんどが一発勝負で決まります。それなのに普段の練習では何本も同じセットで練習します。当然本数を重ねるとコースに慣れるので上手くなりタイムも縮みます。そして10本やって5本目6本目あたりがいちばん早くそれ以降は疲れてしまってタイムが出ないという結果に落ち着きます。5本目6本目で最速を出しているようでは本番では「負け」です。「あそこああすればよかったね」と反省点を抱えて帰るだけです。普段から1本勝負の練習をしていないチームがいきなり本番で1本目から勝負しても結果は出せません。

ダウンリバーの練習も同様です。本番1本でも苦しいダウンリバーを何本もできるでしょうか?2本目に残す体力があるなら出し切れって話です。また、何本も降るとこれもまたコースへの慣れが出てきます。本番前にそのコースで前入りして練習できるのならいいですが、他の川等で練習する際に何本も降って慣れて早くなったと喜んでいても意味がありません。

普段からやる練習

普段の練習に本番さながらの緊張感を持ち込むのは難しいですが、それができるチームが強くなります。私が普段やっていた練習を簡単に紹介します。まずスラロームからです。「1本1分弱の簡単なコースを作る→コースタイムと同じ時間のインターバルで5本漕ぐ」です。注意点が何点かあります。①本気でやると1本目ないし2本目がピークになるはずで、3本目以降はタイムが落ちてくる。その下り幅を3秒前後に収める。②疲労の蓄積で4本目以降最高が出ることはないはずなので、そこで最高が出た場合は手を抜いていたとということ。場合によっては罰ゲーム。③罰ゲームにしない場合はそのセットの目的を追い込み練に切り替え正常なタイムの下り値を見せるまで何本でも漕ぐ。③をやると結局何本もやる癖がつくので最後のセット以外などでは基本やりません。フリップリカバリーやカヌーの場合はロール練をします。次のセットに行く場合は5分のレストを挟みます。結局「何本も漕ぐんじゃん」と思うかもしれませんがこれはスラロームの練習でありスラロームではありません。簡単なセットというのがポイントで深く考えなくても要点さえ押さえれば通れるセットなのです。セットの攻略を考えるよりもいかに1本目に全力をぶつけられるかという方が重要です。もちろん接触はペナルティーなので集中力も必要です。

続いてダウンリバーです。ダウンリバーも1本でいかに集中できるかが重要です。できることならポラールやガーミンの心拍計をつけましょう。運動中どれくらい心拍が上がっていたかを時間軸で見せてくれます。スプリントやスラロームならMAXで180/mくらいは出ますがダウンリバーで180は体が持ちません。常時150/mオーバーくらいで漕げていれば本気で漕げていたというところでしょう。理想は2艇でいってタイムを競うのがいいです。同じレベルくらいのチームならこれも罰ゲームをかけて勝負すると本気になりやすいです。

なんでもそうですが本数を重ねれば慣れてきてできるようになります。しかし、川の場合は水物のスポーツで毎日条件が変わるので慣れが通用しない部分もあります。

コーチを雇う

ここまでは簡単な練習方法の改善について解説しました。

本気の練習ができるのも重要なことですが、それよりも早く上達する方法が一つだけあります。

それが「コーチを雇う」です。「日本にそんなコーチいる??」と思うかもしれませんが、ラフティングのコーチである必要はなくカヌーのコーチです。コーチというと特定の誰かになってしまいそうなのでもっとざっくり言い換えると「技術を金で買う」ということです。

「金を払って教えるのが上手い人に教わる」これが最速です。

ポイントは「金を払う」です。たまにカヌー連盟主催などで行われる格安の特別講習会や、レース後などの合同練習などは論外です。「金を払ってコーチ一人を一日貸し切る」が正解です。そもそも金の介在しないコーチングに責任は発生しません。ボランティアだからその場凌ぎの適当なことを言っても責められるいわれはありません。コーチに「あなたのこれまでの実績をかって正当な額を払うので教えてください。」というと金をもらう以上責任が生まれます。これでコーチも適当な指導はできなくなります。また、選手側も「金を払ったんだからその分は元を取ろう」と頑張ります。よく学生の練習を見ているとせっかく優秀で教えるのも上手いOBが来ているのにダラダラ漕いでいるだけで全然がっついていかないというパターンが非常に多いです。遠くから見ていると「おいおい、その人にそんな個別指導してもらえる機会なんてないだろ〜。」と思ってしまいますが、金を出したわけでもないし「お呼びじゃない」といった感じなんでしょう。

ラフティングは最低4人でチームなので1人3000円くらい出し合えば12000円になり、コーチの日当くらいにはなります。

まとめ

リバースポーツに限らず習い事などもそうですが、自分の身を切る(金を出す)から本気になれるというところは大きいです。

子供の頃親の金で通っていた習い事よりも、大人になって自分で金を出していく習い事の方がなんとなく身が入るという方も多いでしょう。日本にも優秀な指導者はいます。

ただ一つ注意点は「名選手名監督にあらず。」です。いくらいい選手で実績があっても指導は下手という方は多いです。「漕ぐのが上手い人」ではなく「教えるのが上手い人」に教わりましょう。

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