レースラフティングをやっていると1番メインとなる種目はおそらくスラロームかと思います(個人的にはダウンリバーが好きだけど)。御岳カップなんかもスラロームオンリーの大会ですしやはりゲーム性があって面白いですよね。
ただ、私も運営は何度か経験しましたがスラロームってプロテスト(抗議)が多くて面倒くさいんです。カヌースラロームも国スポクラスになると公平にジャッジできるようにSEIKOのビデオジャッジシステム(1番いいので4桁万円)が導入されます。このビデオジャッジがあるとプロテストにきた監督に映像を見せて納得してもらうこともできるし現場の審判が死角で見えなかった部分も公正にジャッジできるので非常にいいです。基本的にはこういったビデオジャッジは全員がルールを理解した上で「今のはなぜ不通過なんだ!」といった人に納得してもらうためのものです。レースラフティングの場合それ以前の問題としてルールの説明から始まるプロテストがあります。前回記事でも解説したようにレースラフティングのルールはスーパーハードモードなのでビデオジャッジも導入してよりハードにしてはいかがでしょうか?笑
カヌーの場合は日本カヌー連盟がICFの国際規定を翻訳し日本版にして公開されています。「ラフティングだから関係ない」と言わず一度は読んでみた方がいいものです。その中の「第28条 漕行」と「第29条 ペナルティー」に全て書いてあります。そしてHP版にはありませんが審判講習を受けたことのある人が持っている冊子版には「漕行図」というルールに対する解釈を図にして載せています。
このような図が私の持っているバージョンの冊子でも87個あります。
これが「カヌー連盟として」「ルールを作った者として」のルールに対する解釈の説明になります。
読んだら読んだ人の分解釈があってはいけないのでそれを示しているのです。
残念ながらこれのラフト版はまだ存在しません。現在テイケイの小泉さんがIRFの選手会に提出し議題に挙げてくれるよう動いているようですが、そもそも解釈がないということは「どう解釈されても良い」ということなので大会ではもちろん揉めます。
試しにカヌースラロームの方から問題です!
画像を直接使うと色々問題が起きそうなのでパワポで自作しました。(画像粗くてごめんなさい。)
転覆が盛り込まれている規定ですね。カヌースラロームは転覆しても競技続行可能です。脱艇した場合はその時点で失格です。転覆からロールで起き上がれば続行です。ラフティングの場合は誰か1人が落艇してボートにしがみついている状態が近い感じがします。もちろんラフティングの場合1人が落ちて離れてという場合も考えられるためどうなるかはディレクター次第です。あくまでもカヌーの話をしています。
①〜④をみなさんならどうジャッジしますか?
ちなみに正解は・・・
こんな感じです!!
ゲートラインはゲートポールの延長線上で河床まで続くので転覆状態で④を通過した時点でそれ以前のゲート漕行は確定します。
試しにもう一問です
ラフトに近いC-2からの漕行図です。ちなみにラフトのIRFルールを解釈するとこれは共通の答になるはずです。
正解は・・・
全部通過判定です。③の下を通っていますがゲートへの漕行開始は「頭部」がゲートラインを切るかゲートに接触するかです。この場合選手が通過していない状態で接触もないので③への漕行は開始されていないという判定です。
ここまで二つの例を出しましたが全て根拠となる文章が規定に書いています。それをわかりやすく図解しているだけです。
脱艇ゴールやフリップリカバリーからのレース再開まで認められているレースラフティングにおいてこのような図解や公式な解釈が出ていないということの方がおかしいのですが「こういうものを作れ」と声を上げる選手がほとんどいないのも不思議に感じます。
JRF(日本レースラフティング協会)さんぜひこのような漕行図のレースラフティング版を作ってください!
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